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お墓の引っ越し(改葬)の種類と手続き方法。注意すべきポイントとは?

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[掲載日]2018/02/26

事情によっては「お墓の引っ越し」や「墓じまい」が必要になることもあります。
「お墓の引っ越し」や「墓じまい」は正式には「改葬」といいます。
改葬する場合、どのような手順で必要で、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

お墓の引っ越しをする理由とは?

改葬するためには、様々な手続きが必要になるため、半年~一年くらいかかります。
手間と費用をかけてまで、お墓を移転したい理由にはどういったものがあるのでしょうか。

    【お墓の引っ越しを決めた理由】

  • 遠方への引っ越し
  • お墓が家から遠い
  • 寺院と縁を切りたい

遠方に引っ越すことになったのでお墓も引っ越し先の近くに移転したい、お墓が遠いためお参りに行くのに不便、維持や管理が大変なので自宅の近くに移転したいという理由から、改葬を考える人が多いようです。
手厚く供養してくれる、僧侶が親身になって相談に乗ってくれるため人気のある寺院墓地。
しかし、お寺の行事への参加や、お布施を負担に感じる人もおり、霊園に移転したというケースもあります。

寺院墓地の場合はトラブルになるケースも・・・

寺院墓地にお墓がある場合は、「檀家」ということもあり、改葬を相談してもスムーズに話が進まないこともあるようです。
だからといって、先に移転先の霊園を確保して強行突破というわけにいきません。
なぜなら、改葬するためには、お墓のある自治体の許可が必要なのですが、その申請手続きは、寺院の協力なしには不可能だからです。
あまりに話がこじれてしまったときは、改葬業者の行政書士に間に入ってもらうことで解決できる場合もあります。

改葬の方法

改葬の方法には、次のようなものがあります。

  • 遺骨のみを移転する
  • 遺骨と墓石を移転する
  • 分骨する
  • 永代供養として遺骨を納める

遺骨のみを移転する方法

今ある墓石を解体・処分して、新しい墓所で新しくお墓を建てる方法で、改葬(お墓の引っ越し)としては最も多い方法です。
遺骨のみを移転する「お墓の引っ越し」がなぜ多いのかというと、寺院・霊園によって設置可能な墓石デザインに制限があるなど、墓石を移したくても移せないケースが多いからです。
墓石を解体・処分し、移転先では新しい墓石を建てる必要があります。

遺骨と墓石を移転する方法

墓石に思い入れがある、墓石を建ててまだ日が浅いなど、今ある墓石を解体・処分したくない場合は、新しい墓所に運んで設置する方法もあります。
しかし、寺院・霊園によっては、墓石を移したくても移すことができない場合も多いのです。

【なぜ墓石を移すことができないの?】

  • 墓石の持ち込みそのものを認めていない
  • 設置可能な墓石デザインに制限がある
  • 区画の広さが違うため設置が困難である

どうしても墓石を移転したい場合は、設置可能な寺院・霊園を探す必要があります。

引っ越し先の霊園で新しく墓石を建てる必要がないので、費用が安く済む場合もありますが、墓石を分解してトラックで運搬するため、運搬費がかかります。
墓石の大きさや、搬送距離によっては、遺骨のみを移転する方法よりも高額になってしまうこともあるので、必ず見積もりを取り、搬送中に墓石にヒビが入るなどのリスクも承知したうえで検討するのがよいでしょう。

分骨する方法

分骨とは、骨壷の中の遺骨の一部を取り出して、別のお墓で管理・供養することです。
移転先の寺院や霊園で、新しい墓石を建て、現在のお墓はそのまま残します。

永代供養として遺骨を納める

お墓の継承者がいなくなってしまった場合、無縁仏になってしまいます。
無縁仏になるのを避けるため、永代供養として遺骨を納め「墓じまい」するケースも増えています。
この場合は、墓石を解体・処分し、更地にしてから墓所の使用権を返還します。
永代供養にも「単独墓」「集合墓」「合祀墓」と種類があり、その料金は永代供養のお墓の種類と寺院・霊園によって数万円~100万円と大きく差があります。

改葬(お墓の引っ越し)の流れ

改葬(お墓の引っ越し)の中でも、遺骨のみを移転する場合遺骨と墓石を移転する場合には、多くの手続きが必要になります。

新しい寺院・霊園を探す

まずは、移転先の寺院や霊園を探しましょう。
お墓購入にかかる費用は、永代使用料+墓石代の総額で、その価格は寺院・霊園、墓石のグレードによって大きく差がありますが、100~200万円で購入する人が多いようです。
購入後も、定期的に管理料(寺院の場合はお布施)を払い続ける必要があります。
永代使用料の支払いが済んだら「受入証明書」を発行してもらいましょう。

埋葬証明書をもらう

移転先の寺院・霊園が決まったら、現在お世話になっている寺院・霊園の管理者に「埋葬証明書(埋蔵証明書)」を発行してもらいましょう。

改葬の許可をもらう

改葬(お墓の引っ越し)をするためには、お墓のある市町村の許可がいるため、改葬許可申請書の提出が必要になります。

【改葬許可の申請の際に必要なもの】

  • 改葬許可申請書・・・現在お墓のある地域の市区町村の役所でもらうことができます。
  • 埋葬証明書(埋蔵証明書)・・・現在お墓のある寺院・霊園の管理者から発行してもらえます。
  • 永代使用許可証(墓地使用許可証)・・・寺院・霊園と契約し永代使用料を支払うともらえます
  • 受入証明書・・・引っ越し先の寺院・霊園の管理者から発行してもらえます。

必要になる書類は、自治体によって異なりますが、これらの書類と印鑑を用意し、現在お墓のある市町村の役所に提出すると、一週間ほどで「改葬許可証明書」が発行されます。
埋葬証明書や、改葬許可証は、遺骨一体につき一通必要になりますので注意が必要です。

お墓から遺骨を取り出す

「改葬許可証明書」が発行されたら、現在お墓のある寺院・霊園に「改葬許可証明書」を提示してお墓から遺骨を取り出します。
遺骨を取り出す作業は、石材店に依頼します
僧侶に「閉眼法要」をしてもらい、遺骨を取り出し、風呂敷で包み、持ち帰ります。
遺骨を安置する場所は、自宅や、移転先の霊園にお願いすることがほとんどです。

【閉眼法要って?】
閉眼法要・・・「魂抜き」ともいわれ、墓所に宿った故人の魂を抜く儀式のこと

お墓の整備・返還

お墓から遺骨を取り出した後は、墓石を解体・処分し、更地にしてから墓所の使用権を返還しなくてはなりません。
墓石処分や区画整理の工事を石材店に依頼しましょう。

新しいお墓へ納骨する

移転先の寺院や霊園の、墓石工事が終わり引き渡しが完了したら「改葬許可証」を提出して、改葬を行います。
お墓から遺骨を取り出した時と同様、僧侶に「開眼法要」を行ってもらいます。

【開眼法要って?】
開眼法要・・「魂入れ」ともいわれ、新しい墓所に故人の魂をお招きする儀式のこと

分骨の場合の手順

分骨したい場合は、遺骨所有者(喪主)の承諾を得る必要があります。
「魂が分割されるので成仏できないのではないか」と分骨を嫌がる方もいますので、親族できちんと話し合うことが大切です。
分骨する場合は、現在お墓のある寺院・霊園の管理者から「分骨証明書」を発行してもらうだけでよく、役所での手続きは必要ありません。
お墓から遺骨を取り出す際は「閉眼法要」、納骨する際には「開眼法要」を行います。

改葬(お墓の引っ越し)にかかる費用


改葬(お墓の引っ越し)にかかる費用は、寺院・霊園によって違いますし、墓石のグレードによっても大きく差がでます。
一般的な相場は50~150万円程度といわれていますが、中には300万円ほどかかるケースもあります。

【費用内訳】

  • 古いお墓の解体と処分・整地費用・・・石材店に支払います
  • 新しい寺院や霊園と契約・・・永代使用料、管理料を墓地・霊園に支払います
  • 墓石の費用・・・墓石代と工事費を石材店に支払います
  • 閉眼法要と開眼法要のお布施とお車代・・・法要代としてそれぞれ1~3万円程度、お車代として5000円程度僧侶に支払います
  • ※墓石を移転する場合は運搬費がかかります

改葬の石材業者の選びかた

石材店を選べない場合もある

民営霊園の場合、ほとんどが「指定石材店制度」を採用しています。

「指定石材店制度」とは?
お墓を建てる場合には、霊園が定めた指定の石材店で建てなくてはならないという決まり

霊園の指定石材店は数社ありますから、その中から気に入った石材店を選べば問題ないじゃないか・・・と考えがちですが、自分で石材店を指定することができないので注意が必要です。

石材店を指定したい場合は、気に入った霊園が見つかったら、その霊園の指定石材店を先に調べ、霊園見学より先に石材店に行き、その石材店に霊園を案内してもらいましょう。
霊園見学で霊園のチラシを持参して行くと、そのチラシを発行した石材店が担当となる場合が多いようです。

石材店を自由に選べる場合

石材店を自由に選べる場合は、地元で長く営業している実績のある石材店、料金をわかりやすく明示している業者に依頼するのがおすすめです。
その際も、数社に見積りを依頼し、しっかり比較・検討することが大切です。